大人の読書感想文。

30代独身女の読書感想文と頭の中。恋愛も仕事も中途半端な私が本を読みながら生き辛さと向き合います。

2冊目 手紙

こんばんは。

白です。

 

2冊目の読書感想文は

東野圭吾さんの

[手紙]です。

 

映像化もされているので

知ってる人が多い本だと思います。

 

なぜ2冊目が[手紙]なのかは

昨夜、私が手紙を書いたからです。

 

本当に久しぶりに

ラブレターを書きました。

三十路のラブレターなんて痛々しいことを

深夜のテンションで書き上げました。

 

手紙は書き出しが1番難しい。

お元気ですか。もおかしいし、こんばんは。も

よそよそしい。

そして自分の年齢を考えると…

恥ずかしい手紙は書けない!

と、改めて手紙の書き方から勉強しはじめました。

 

拝啓、前略、季節の挨拶…

あまりに無知な自分を恥じました。

 

手紙はあたたかいものです。

もらった人間がどう感じるか、よりも

書いている人間が救われるような

そんな歪なあたたかさ。

だいたいの手紙は自己満足なのかもしれません。

 

私が昨夜に書き上げたラブレターは

自己満足の極みでしょう。

相手不在の気持ちの押し付け。

 

でも、

私が昨夜、彼を思って手紙を書いた時間は

心が満たされて、幸せで、

彼に改めて感謝する

そんな時間でした。

 

そして彼がこの手紙を読んだ時に

どんな思いになるのかは

私には知る術がないのでした。

 

 

 

ここから本の話です。

 

このお話は

両親のいない兄弟の

悲しみが詰まった物語です。

 

弟のために犯罪者になってしまう兄と

その兄のことで

何度も人生の挫折を味わい

生きていく弟の話。

 

兄は刑務所の中から

弟に手紙を出し続けます。

それは、弟の身を案じるような

心配を伝えるような文章ですが、

弟はその手紙に苦しめられ続けます。

 

兄の存在をつきつけられ、

自分のために犯罪者になった兄を

憎む事も出来ずに。

 

弟が最後に出した、兄への手紙。

涙なしには読めませんでした。

 

家族、血の繋がり、

それは時にあたたかく、優しいものですが

私には呪いのようにも

感じるのです。

決して逃げられない呪い。

 

でも、呪いにもなる程の強い絆は

やはり、かけがえのないものなのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

手紙を書く機会は減りましたが

私はやっぱり手紙が好きです。

 

言葉は薄情だけど

手紙には

嘘はないと思うのです。

同じ言葉なのに

口から吐き出す言葉よりもずっと

心が伝わると思うのです。

 

ずっと伝わるからこそ

手紙は凶器にもなり得るのかもしれません。

 

物語の中で

兄は弟に手紙を書き続けることで

自身の心を慰めて

悲しくも幸せな時間だったと思います。

でもそれは自己満足で

弟を傷付ける凶器だったのかもしれません。

 

でも

兄の気持ちを乗せた手紙は

傷付けるだけのものではなかったと

最後の最後に思える

 

そんなラストでした。

 

 

 

今日、私が渡した手紙は

凶器とならずに

あたたかいものになりますように。

 

受け取ってくれた彼の笑顔を見て

私は更に幸せな気持ちになりました。

 

人と人のつながりを

何年会っていなくても

心を近くに感じる幸せを

噛みしめながら今日は眠ろうと思います。

 

 

手紙。

これは書き手と受け手

どちらのためのものなのでしょう。

 

私は

書き手のためのものだと思っています。

だからせめて

ただの自己満足になってしまわないように

人を想って手紙を書きたいと思いました。

 

f:id:shironophoto:20191204164439j:image